株式会社センシンロボティクスは、住友商事株式会社(以下「住友商事」)が開発した物流施設において完全自動運用型ドローンシステム『SENSYN DRONE HUB』を活用した警備監視・巡視点検の自動化における有用性を確認しました。
昨今、少子高齢化による労働人口減少は大きな社会問題となっており、既存ビジネスの省人化が求められています。住友商事ではデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しており、その一環として施設の警備監視の省人化・効率化を目的に、センシンロボティクスの持つテクノロジー『SENSYN DRONE HUB』を中心としたドローンソリューションを活用した実証実験を行いました。
実験の内容
実証実験は川越にある物流施設にて、警備監視・屋根点検における『SENSYN DRONE HUB』の有用性の確認を行いました。
■自動離陸・着陸の検証
実験では、予め設定したルートを元に、定時刻になるとプラットフォームからドローンが自動的に離陸し、事前にシステム上で指定したルート通りの正確な飛行を実行した後、完全自動で精密な自動着陸を実行する事を確認しました。遠隔地での自動航行の一時停止/再開も問題なく行い、施設の警備監視に足る機能を持ち合わせていることを確認しました。
飛行ルートの設定
予め設定したルートでミッションを行う
■映像伝送システムの検証
SOSiLA川越と警備センターの2拠点を映像伝送システムで中継し、拠点間接続時の映像品質の検証を行いました。実際の警備監視業務を想定し、遠隔拠点からカメラ操作・自動航行の一時停止/再開が実施できるかを検証し、警備における一次スクリーニングを行うに足る機能を持ち合わせていることが確認できました。
遠隔拠点からリアルタイムで映像が確認できた
■夜間飛行の検証
夜間における警備監視業務を想定し、『SENSYN DRONE HUB』からドローンを飛行させ、設備の状況をリアルタイムに確認することができました。
■屋根・壁面点検の検証
施設における巡視点検:屋根、壁面の汚れ、雨どいのつまりが確認できるかの検証を行いました。『SENSYN DRONE HUB』のスケジューリング/データリンク機能を活用し、ドローン飛行によるデータ取得~クラウドへのストレージまでの一連の動作を完全自動で行いました。
画像拡大して壁の汚れ・雨どいのつまりが確認可能
本実証実験ではオペレーターの目視可能範囲での飛行検証を行いましたが、離陸から着陸までのすべてのミッションを作業員の介在なく実施出来る事が確認でき、ドローンの無人運用に足る必要機能を持ち合わせている事を確認できました。
将来的な完全自動運用に向けて、効果測定・実証実験を継続していく予定です。
住友商事株式会社 物流施設事業部長 中本 昭人様からのコメント
当社の展開する物流施設SOSiLA(ソシラ)シリーズは、社会とのつながり(=Sociability)・環境への配慮や持続的成長(=Sustainability)・人と労働環境への配慮(=Individuality)の3つのコンセプトを重視し、豊かな社会の実現への貢献を目指しているESGに特に配慮した事業の一つです。
今後こうしたコンセプトを更に具体化し、不動産分野のスマート化を目指すべく、今回センシンロボティクスと実証実験を実施する運びとなりました。
センシンロボティクスは、設備点検、災害対策、警備・監視を中心とする様々な領域において、実際の業務に適用する際の「ドローンの操縦や撮影された映像の確認作業を行うためのオペレータ(人力)の不足」や「その育成・確保にかかる工数」といった問題を解決する方法として、ドローン活用業務の完全自動化を推進してまいります。
実証実験概要
- 実施日時:2019年11月19日
- 実施場所:埼玉県川越市芳野台二丁目 SOSiLA川越
- 目的:物流倉庫における業務効率化を実現するため、警備監視・巡視点検の領域で『SENSYN DRONE HUB』の各種機能検証を実施。
SENSYN DRONE HUBについて
『SENSYN DRONE HUB』は、ドローン機体、自動離発着や自動充電に対応する基地、加えて制御ソフトウェア・業務アプリケーションが一体となった、業務の自動化を推進するシステムです。
事前に設定されたルートへの自動飛行や、画像・映像の撮影が可能なため、大規模な工場の警備監視や設備点検などの領域において、作業員が都度現地に赴く必要がなくなり、効率的かつ安全な業務遂行が可能となります。
また、顧客業務自動化統合プラットフォーム『SENSYN FLIGHT CORE(センシン フライト コア)』や、『SENSYN DC(センシン ドローンコミュニケーションサービス)』との機能連携により、定時刻にミッションを繰り返し実行するスケジューリング機能・遠隔地からのカメラ操作機能などが追加でき、各種業務特化型アプリケーションと連携する事で詳細な解析を実行するなど、ドローンの自動運用に必要な機能のさらなる拡充を図り、また高度な情報処理を実現していきます。