国立研究開発法人海洋研究開発機構が行うドローンによる全自動陸域生態系調査の実証実験

国立研究開発法人海洋研究開発機構(以下「JAMSTEC」)が行う植生調査において、ドローンによる全自動陸域生態系調査の実証実験を行いました。
これにより、人のアクセスが困難な場所での定点観測に活用に有効であることが確認され、今後の研究活動の可能性につながる結果が得られました。

実験の内容

国指定重要文化財である夏島貝塚上空を対象に、ドローン観測による植物季節に着目した樹種判別を目的に、『SENSYN DRONE HUB』を用いて上空から全自動で植生調査を行いました。
実証実験では、植生調査に活用する画像データを取得するために、下記の検証を行いました。

  1. ルート設定した上空をドローンが自動飛行し、対象物の直上から画像撮影を行い、画像データを取得できるかの確認
  2. SENSYN FLIGHT CORE』上でスケジューリング登録を実施し、設定時間に全自動航行による画像データ取得ができるかの確認

全体俯瞰ルートルート設定画面

エリアスキャンルート自動で航行ルートを算出

定時刻になるとプラットフォームからドローンが自動的に離陸し、事前にシステム上で指定したルート通りの正確な飛行を実行した後、完全自動で精密な自動着陸を実行する事を確認しました。

本実証実験ではオペレーターの目視可能範囲での飛行検証を行いましたが、離陸から着陸までのすべてのミッションを作業員の介在なく実施出来る事が確認でき、ドローンの無人運用に足る必要機能を持ち合わせている事を確認できました。

将来的な完全自動運用に向けて、効果測定・実証実験を継続していく予定です。

本実証実験は、横須賀市教育委員会(文化庁)の許可を得て行いました。当地は、無許可でのドローン飛行禁止エリアに位置するため、国土交通省の許可を得て飛行しました。

オルソモザイク画像
 
図. 夏島貝塚におけるオルソモザイク画像。80%のオーバーラップで撮影した画像をAgisoft社のPhotoScanを用いて合成した(JAMSTEC 永井 信主任研究員より提供)。夏島貝塚において生育する樹木の様子が個体ごとに良く分かります。
 

 

お客様から『SENSYN DRONE HUB』に対するご期待の声

従来のドローン観測では、自然現象を体系的に理解するために必要な高頻度なフライト設定が困難でした。『SENSYN DRONE HUB』は、この問題点を解決するために非常に有用であり、自然科学研究における『SENSYN DRONE HUB』活用の魅力の一つであると考えます。今後の実証実験の繰り返しと、ソフトウェアとハードウェアの両面における技術発展により、更なる実用化に向けた安全かつ柔軟性の高いシステムの開発が進むことを強く期待いたします。

JAMSTEC 宮川拓真・永井信

実証実験概要

  1. 実施日時:2019年12月24、25日
  2. 実施場所:国立研究開発法人海洋研究開発機構 横須賀本部夏島貝塚隣り 資材置き場 (夏島町 20-1)及び、夏島貝塚の当機構担当者指定地区上空
  3. 目的:
    1.ルート設定した上空をドローンが自動飛行し、対象物の直上から画像撮影を行い、植生調査向けの画像データであるか有効性の確認
    2. 『SENSYN FLIGHT CORE』上でスケジューリング登録を実施し、設定時間に全自動航行による植生調査の有効性確認

プレスリリースはこちら:https://www.sensyn-robotics.com/news/case_jamstec

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