株式会社センシンロボティクスは、昨年度に引き続き国立研究開発法人国立環境研究所からの委託を受け、AME株式会社と連携してドローンによる森林計測調査を実施しました。
森林の林冠構造は、森林内の環境や主要な生態プロセスに影響を与える重要な要因であり、森林の質を評価するための重要な指標とされています。これまで、このような森林の計測調査は、調査者が実際に森林内で立木の胸高直径や樹高、立木本数を毎木調査や標本調査などにより計測しており、非常に多くの労力を要していました。しかし、ドローンは広範囲の森林情報を短期間で一定の精度で把握できるため、現地調査の効率化や省力化が期待されています。
今回の調査が実施された小川試験地は、北茨城に位置する小川ブナ希少個体群保護林内の6ヘクタールの試験地であり、多様な樹種が生育する長期モニタリングサイトです。本調査では、ドローンやLiDARなどの最新技術を用いて、森林の三次元構造と植生状況を位置情報とともに定量的に把握することを目的としました。センシンロボティクスは、森林環境を含む多様な現場で豊富な観測実績を有しており、観測技術や運用知見を活かし、撮影方向や撮影高度などの条件を調整しながら、森林観測に適したデータ取得や画像生成処理に取り組みました。今回取得したデータは、国立環境研究所ならびに関係機関にて解析され、小川試験地の基盤的なデータとして活用されるとともに、森林の林冠構造に関する知見の高度化に貢献する見通しです。
センシンロボティクスは、今後も森林環境における調査を通じて、持続可能な地球環境の実現に向けた取り組みに貢献してまいります。
関連情報：小川試験地ウェブサイト
ドローンによるデータ取得を行う様子
取得データ