センシンロボティクスとサンフロンティア不動産株式会社は、生産性の向上・働き方改革を目指した、攻めのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する資本業務提携後の共同プロジェクトとして、ドローンによる壁面点検を効率化するソフトウェアの開発に着手いたしました。
市場の予測と今後の展望
2022年度中にドローン操縦が免許制になることで、ドローンによる点検市場が格段に拡がることが予想されています。両社は、今後多くの事業者がドローンによる建物調査に参入し、ドローン壁面点検が当たり前の社会になっていく事を見据えています。本ソフトウェアはそのような参入事業者に広くご利用いただけるソフトウェアとして、2022年4月以降、外部販売を検討しており、現在、サービスインに向けたマーケティングを継続実施中です。
開発の背景
昨今、ドローンを活用した建物調査が注目を浴び、足場やゴンドラによらない新たな点検方法として、建物所有者(或いは建設事業者)が、ドローンを採用するシーンが増えています。ドローンによる壁面点検(以下、壁面点検)は、従来の調査方法と比較して、安価且つ施設利用者の負担を軽減できる調査方法が魅力の一方、点検後に撮影した膨大な画像データの異常個所判定や撮影部位の特定、異常部の解析、報告書の作成に膨大な時間を要します。事業者によっては、報告書の作成がボトルネックとなり、事業参入を断念するケースも少なくありません。そのような中、サンフロンティア不動産では、東京都心部における400棟以上の管理物件のノウハウを活用し、自社物件を中心にドローンによる壁面撮影を進めています。外壁タイルや吹付モルタル等の壁面を順次撮影することで壁面データを蓄積し、センシンロボティクスと共同で、異常箇所(タイルクラック、エフロレッセンス、タイル欠け等)のディープラーニングを行ない、壁面異常個所を自動判別できるAIの生成と調査報告書自動化ソフトの開発を進めております。将来的にはクラックの幅についても検知できるレベルに開発を進めています。
開発中の壁面点検ソフトウェア画面
作業項目の削減
撮影後の建物調査報告書作成フェーズでは、クライアントの調査目的や要望によって、報告書の仕様は様々ですが、大型建築物の大規模修繕工事における調査のケースでは、報告書が数百ページに及ぶものもあり、目検や手作業に膨大な工数がかかることがあります。これらの作業を大幅に軽減するため、AIによる自動判別で作業項目の削減と物件フォルダの管理、クラウド上での図面保管等を一気通貫で行えるソフトウェアを開発し、作業項目の60%削減を目指しております。将来的にはAIの精度を向上させ、さらなる作業項目の削減を目指します。
プレスリリースはこちら:https://www.sensyn-robotics.com/news/sunfrontier-facade-check