東京海上日動火災保険株式会社(取締役社長 広瀬 伸一、以下「東京海上日動」)、東京海上ディーアール株式会社(代表取締役社長 嶋倉 泰造、以下「東京海上ディーアール」)および株式会社センシンロボティクス(代表取締役社長 北村 卓也、以下「センシンロボティクス」)は、主に大規模工場やプラントを保有する企業向けに、ドローンを活用した保全高度化支援サービスの提供を開始します。
プラントや建物の壁・屋根を定点観測するための撮影データを継続的に蓄積し、AI学習を行うことでより高度な保全活動支援に繋げていきます。

背景

近年、台風による建物の倒壊・破損が広範囲で発生し、大きな物的・人的被害や事業停止を引き起こしています。また、プラントや施設の高経年化に伴う事故のリスクも高まっています。このような中、大規模工場やプラントを保有する企業では、保全業務の重要性が高まっている一方で、人材不足や収益性確保の観点から、保全業務の効率化が求められている状況にあります。
突発的被害による事業中断リスクの低減のためには、「事後保全※1」や「時間基準保全※2」から「状態監視保全※3」への移行が望まれます。一方で、プラントや建物の屋根・壁の点検には、高所作業車や足場の手配の他、危険を伴う高所作業を行う必要があり、多大な労力やコストが生じることから、適切な頻度での状態監視を実施できていないケースが少なくありません。
このような状況を踏まえ、東京海上日動、東京海上ディーアールおよびセンシンロボティクスは、これらの課題の解決を通じた企業の保全高度化、レジリエンス強化を目指し、ドローンの活用による保全高度化支援サービスの提供を開始いたします。

(※1)建物や設備等に何かしらのトラブルが生じてから保全すること
(※2)建物や設備等の状態に関わらず、定期的に保全すること 
(※3)建物や設備等の状態を監視して、状態に応じて保全すること

サービスの概要

状態監視保全への移行には、ドローンの活用が有効とされています。大規模工場やプラントを保有する企業の多くは、保全業務におけるドローンの導入を検討し始めていますが、機体の選定・操縦技術・データ管理等に課題があり、実際の導入へと踏み出せないケースがあります。
東京海上ディーアールとセンシンロボティクスは、操作研修から撮影データの管理までをワンストップでサポートし、各企業での導入体制構築を支援します。

【導入手順】
① 現状実施されている保全業務の確認、本サービス導入に関する課題の整理
② 実地検証による撮影データの取得、効果検証
③ 運用に向けた中長期計画の作成、活用体制の構築(ドローンの操作研修を含む)
④ 機材導入(購入またはリース)、撮影データの継続的な蓄積、活用に向けたフォローアップ

サービスの特徴と効果

本サービスの主な特徴は、以下の3点です。

➀ データ管理機能
センシンロボティクスが提供するデータ管理プラットフォーム「SENSYN CORE」を活用し、撮影データをクラウド上で一元管理することが可能です。定期的に撮影された画像をクラウド上に蓄積することで、同じアングルで撮影した画像を時系列で比較し、劣化の進行を評価することが容易になります。
また、ドローン飛行経路の設定と自動制御機能により、熟練したパイロットに頼ることなく、あらかじめ定められたルートで安定した画像の取得が可能となります。

➁ 専門性の高いアドバイス
東京海上ディーアールは、年間数百件におよぶ企業の災害リスク調査を通じて、施設の維持管理や自然災害対策に関するアドバイスを多数提供してきました。本サービスでは「SENSYN CORE」のクラウド上の撮影データをもとに補修・更新計画等のアドバイスを提供し、劣化や異常箇所への早期補修や、最適なタイミングでの保全を実現します。


➂ 労災リスク・点検コストの低減
これまで人が行っていた危険な場所での点検作業に代わり、ドローンを活用することで点検作業の安全性を確保することができます。また、ドローンを活用することにより、高所作業車や足場の手配が不要となるため、低コストかつ適切な頻度での状態監視が可能となります。

【保全方式とドローン活用の効果】

今後について

東京海上日動のネットワークを通じて、大規模工場またはプラントを保有する企業を中心に、サービスを展開していく予定です。本サービスにて蓄積したデータをもとに、AI学習による劣化傾向判定の高度化・効率化を実現し、企業の計画的な予防保全、早期補修によるレジリエンス強化に貢献してまいります。

 

「SENSYN CORE」は、株式会社センシンロボティクスの登録商標です。
本書面に記載されている会社名、製品およびサービス名は、各社の登録商標または商標です。