センシンロボティクス(以下「センシン」)では、様々な業界で多様なスキルを磨き上げてきたスペシャリストたちが社会課題の解決を目標として日々の業務にあたっています。

第三回のゲストは、バックエンドシステムの構築からwebサービスの構築まで幅広い知識と実務経験を日々発揮している、衛 達ガイさんです!

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来日から日本企業でのキャリアスタート

山崎:では早速ですが始めましょう!衛さん、本日はよろしくお願いします!

 :緊張しますね…よろしくお願いします!

 

山崎:衛さんが日本に来たきっかけを伺ったことなかったので楽しみにしてました(笑)。学校卒業されてから最初は中国の企業に就職したのですか?

 :いえ、最初は日本の企業に就職したんです。その1社目の会社はコンピューターの製造からシステム開発まで幅広く手掛ける企業だったのですが、私が大学生の頃中国への進出を計画していたそうで、毎年5名前後の新卒採用を中国でしていたのです。

 

山崎:じゃあ入社して中国支社配属になったのですか?

 :最初は日本のオフィスで研修をするということで入社後は東京に来て生活していました。日本でブリッジエンジニアとかPMの実務研修をして、そこから中国に戻り日本と中国の橋渡し役を担うというキャリアパスで説明を受けたのです。

 

山崎:最初に配属されたのはどんな部署だったのですか?

 :最初はVBとかOracleを使用してERPソリューションを開発し、提供する事業部でした。そこでは新機能の開発だけでなくカスタマーサポートやバグフィクスなども一通り経験しました。

 

山崎:じゃあそこで開発の仕事の基礎的なノウハウを学んでいったんですね。

 :はい。結局そこから2年ほどで諸事情により中国進出は立ち消えとなってしまうのですが、そのまま日本に残って開発業務に携わっていました。ただ、社会に必要とされるERPなのはわかっているのですが私にとって目新しさがなく感じており、余暇を使ってPythonの学習をスタートさせていました。

 

山崎:いまセンシンで画像認識のプロジェクトなどに関わっていると思いますが、それを独学で学んだってことですか?

 :はい。ちょうど画像認識を利用する新規プロジェクトがあってそこに立候補したこともあり、大体一年半くらいの間自分で実務を通じて学習していきました。「Tango with Django」っていうオンラインの学習フォーラムを通じて学習したり、書店でテキストを買ってみたりという感じでしたね。

 

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自分の信念にそったプロダクトをつくりたい、そしてセンシンへ

山崎:そこから転職を決意されたのって、どういう理由だったのですか?

 :今お話しした勉強を活かして機械学習のプロジェクトにいくつか参加したのですが、最後に携わったプロジェクトが私には少し違和感を感じる物だったというか…。

 

山崎:違和感ですか。話せる範囲でよければ、それはどういう違和感だったのですか?

 :機械学習を通じて未来予測をするというプロジェクトだったのですが、それを通じて職業適正のスコアリングやストレスチェックをやるということだったんですね。でもそれって私にとっては、そんなに簡単に判断してはいけないセンシティブな問題だと思って。自分が積み上げてきた技術をそういう方向に使うことに違和感を感じたのです。

 

山崎:使われている技術そのものは面白いけど、使われ方が衛さんにとって納得いかない物だったんですね。

 :そうですね。それで最終的に、自分が納得のいく目的のために自分の技術を使いたいと思い転職をしようと思いました。

 

山崎:転職に際して、センシン以外の企業もいろいろ検討したと思うのですが、他にはどんな会社の面談を受けにいったのですか?

 :もう一社ロボットアームとカメラによる画像認識を使って物流の現場をDXするロボティクス系企業も見に行きました。とても先進的な開発をしていたのですが、センシンの人たちの仕事の仕方はモダンな感じがして。

 

山崎:確かに自由な社風だとは思いますね。

 :そうですね。それなのに社会課題を解決するために具体的な解決方法を開発して客先に実装するとても技術力の高いエンジニアが多いという印象を受けて、このチームに合流すれば自分のスキルアップにも繋がるしとても魅力的だなと思いセンシンに決めました。

 

山崎:センシンってフィールドワークをする機会が他の会社に比べるとすごく多いと思うのですが、衛さんにとって現場に行くことはどうなのですか?

 :私は現場で自分が作ったものが動いてるところを見るのは好きですし、お客様からダイレクトな意見を聞けるのは今後の仕事に活かしやすい情報なので助かってますね。現場がけっこう好きです。笑

 

自動航行システムから画像解析まで横断的なプロジェクト

 

(衛さんの手掛ける自動航行管制ソフト SENSYN CORE Pilot)Pilot画面キャプチャ1Pilot画面キャプチャ2

山崎:うちは本当に現場好きな人が多いですものね、そういう人にとっては面白い職場だなといつも思います。では次の質問にいきますね。衛さんがセンシンに入って最初に手がけたプロジェクトについて教えてください。

 SENSYN COREのPilotですね。私が入社したときにGoogle Mapを利用した2Dでの地図表示がCesiumベースの3Dへと仕様変更されていた真っ最中でした。ドローンを自動航行させるためのウェイポイントマーカー機能はすでに実装されていたのですが、そのウェイポイント間に新たなポイントを追加する機能だったり、地形に対してトレースする飛行経路を採用する機能やテレメトリの補正を担当していました。

 

山崎:その時はセンシンのプロジェクトってPilotが主だったのですか?

 :そうですね、それで私が入社して少し経ったくらいからTANK Checkの開発がスタートしたという流れでした。Drone Hubはすでにあったと思います。

 

山崎:Cesiumっていろいろなパラメーターを取り扱える分すごい難しいという印象を受けますが、実際すぐに実務で使えるようになるものなんですか?

 :私より先に入社してた皆さんから書籍や参考情報のシェアを手厚くやっていただいたので、導入部に関しては触り始めやすかったと思っています。もちろん難しかったですけどね。笑 おかげさまでSENSYN CORE Pilotはこれまで重大なバグも出さずに運用されているので、私のやった仕事としてすごく自信につながっています!

 

山崎:衛さんが作ってくれたSENSYN CORE Pilotがあって私が今携わっているプロジェクトに転化していったという例もあるので、そこはとてもありがたく感じてますよ。

 :それはよかったです!今はただプロダクトを作って売る、ではなくてお客様の課題を一緒に解決していく開発へとハードルが一段階上がっているので、これから更に要求が上がっていくだろうなと思っています。頑張っていきます。

 

山崎:では次なのですが、その「頑張る」にかかる質問です。センシンですでに様々なプロジェクトを開発してきた衛さんが一番ハードだと思った開発について教えてください。

 :これあまり詳しくいうと何の話かわかっちゃうので心配ですけど…数社で共同開発する案件があって他社のインターフェースにセンシンのシステムを繋ぎ合わせたんです。開発はひと段落して、ドローンへ実際に接続してテストするということで現地に行ったのですが。

 

山崎:あ、それ知ってます…

 :はい、ご存知の通り事前にもらってた仕様と全然違うものが出てきて全く想定通りの連携が取れなかったんですね。でもステークホルダー各社が現地に視察に来ているのでなんとかしなくてはいけない。各アクションのコマンド自体はできていてパラメーターがずれているという状況だったので、その場でコードの書き直しをすぐに行って2日でなんとかその検証で必要なレベルまで調整をしました。

 

山崎:まったく予想外な出来事だったと思うのですが、その場で対応したの凄いです。

 :一旦持ち帰りますっていうこともできたとは思うのですが、とにかくその場で何とかしなければいけないという使命感だけで必死に直したんですよね。笑

 

お客様との対話から真のニーズを導き出す

 

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山崎:凄まじいハードケースを経験している衛さんが、エンジニアとして大事にしていることは何ですか?っていうのが次の質問なのですが。

 :お客様の真のニーズを理解できるようにコミュニケーションをし続ける、ということですね。前職では大企業ゆえに分業制で縦割りがしっかりしていたので、反面自分が携われる箇所って限られていたんですよ。なのでセンシンではお客様と一緒に考えて、真のニーズをしっかり製品に反映させていくということを心がけています。

 

山崎:現場に行くセンシンエンジニアなら常に心がけていきたいことですね!実際デモをしている現場でお客様がポロッと本音を言ってくださって本開発への道が開けたなんてこともあったので、これは私も心がけていきます。そして最後の質問になるのですが、センシンロボティクスはこの先どう成長していくのか衛さんの意見を教えてください。

 :それはもう海外展開だと思います。(編集者(マーケチーム)のほうを見つつ)海外展開プロジェクトを進めているんですよね?

編集:海外展開については私から公式に発表できることはありません!笑 ただ、センシンのサイトを見て海外からお問い合わせをいただくことは確かにありますね。

 衛:私たちの作っているものは世界中のお客様の役に立てるはずなので、ぜひ世界進出をしてもっと大きくなっていきたいですね。