センシンロボティクスでは「ロボティクスが実現する豊かな社会」をテーマに年間を通じたウェブセミナーを開催しています。

社会が抱えるさまざまな課題を解決し、少子高齢化や社会/産業インフラの老朽化が進み、更には感染症との共存が必要となる未来においても、豊かな社会を実現するには何が必要か?
ドローンを始めとするロボティクステクノロジーを軸に、エネルギー、環境、DX、法規制、エアモビリティなど、様々なテーマの業界トップランナーや専門家を招いて議論する、というものです。

第2回は伊藤忠商事様をお招きし、主に鉄鋼分野におけるプラント設備のDXの取り組みについてトークセッションを行いました。

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伊藤忠商事とセンシンロボティクスはロボティクス技術を活用したインフラの保安・点検等の領域で業務提携を行っています。

今回の業務提携を通じ、センシンロボティクスのソリューションを、国内外の製鉄業・鉱山業・炭鉱業・港湾業等のお客様に提供しDX活用を支援することで、老朽化するインフラの点検や、少子高齢化による労働人口の減少といった社会課題の解決を目指しています。

DXに必要なこととは

センシンロボティクスが考えるDXに必要な要素とは、データを収集するということと、取得したデータを分析して運用していく、という2つに分けて考えています。旧来のDXの取り組みというと、分析・活用といった部分にすごく重きが置かれり、DXの価値と捉えられていますが、我々は現場のデータをいかに効率良く取得するかにも注力しています。収集、分析、運用というすべてが揃って初めて企業のDXが成し遂げられると考えています。

ロボットは人の代替になるか?プラント設備におけるDXとは

今回の登壇者は現場を愛する人ばかり。トークセッション中では特にプラント設備における課題について話が盛り上がりました。

製鉄所が抱える課題感として、土地が広大で、高炉なども100メートル近くあり、人での点検に時間を要するということが挙げられます。また高所というだけでなく1000°~2000°ある施設もあり、非常に危険が伴います。さらに、点検を行う技術者が不足しており、技術継承が難しくなってきているという事例が増えています。

こういった課題に対してドローンを使ったソリューションは非常にニーズが高くなっています。

一方で、職人や現場の方の経験値はすばらしく、一連の作業をすべてロボットで代替することは困難です。

ではDXで何かできるのか?

北村は以下のように語ります。「ロボットがデータを取りに行って異常を発見するところまでは実現できています。このデータをどんどん取得していって、今起きている異常をビックデータしていくことによって故障の予測ができるようなりますよね。ビッグデータを活用して予兆分析、予防保全につなげ、最終的には計画修繕まで持っていきたいと考えています。工数は減るし、コストも変わってくる。それがまさにDXのメリットだと考えています。そこを伊藤忠商事様と共に実現したい。」

ロボットを活用するメリットとしては、人が危険な地帯に行かず、同じところに繰り返し、低コストで実現できることです。人間が点検を行った方が正確な測定が可能ですが、一方で見る頻度はどうしても高くはできません。

しかし、人間だと半年に1度だったのが、ドローンであれば週に1度となってくると、データを蓄積・分析することで新たな価値が生まれます。人間が行っていたらできなかった価値を生み出す。最終的には人間が修繕をしに行くことになりますが、人間の判断の助けになる、そこで業務全体を見直すことが重要になります。

今後広げたい領域

伊藤忠商事山口様は鉱山業に領域を広げたい、と語ります。「原料を供給している海外の鉱山を考えています。例えば豪州の鉱山だと港から400キロ強離れており、人がいないところに街を作って鉱山にしています。ここでは製鉄と同じように人材確保、安全管理、効率化というところに課題を抱えているので、センシンロボティクスのサービスが有用ではないかと考えています。
効率的に採掘して出荷する必要があるため、メンテナンスは相当注力しています。いかに計画的でないメンテナンスを減らすか。そういった観点で、予備保全は大きなテーマになってくると考えています。」

グローバル展開について

両社は提携時から海外展開を見据えていました。

伊藤忠商事山口様は、「鉱山を狙っていきたい。エリアは山、鉄道、港とあるので、それぞれのエリアで様々な展開が考えられます。鉱山と一口に言っても豪州だけでなく様々な国にあるので、そういったところに展開していくと自然とグローバル展開になっていくと考えています。」と語ります。

上記以外にも、今後例えば日本の製鉄所のお客様が世界展開していくにあたって、我々が業務効率をできるようなソリューションを携えて、共に海外展開していくという手法も考えられるのではないか、と盛り上がりました。

北村は以下のように語りました。「ドローンの運用は各国でレギュレーションの違いがあり、一歩間違えると法律違反になってしまう可能性があります。伊藤忠様は各国にネットワークがあり、法律やレギュレーションを理解されている。パートナー様もいるので、そういったルールを尊重したうえで実現できると考えており、しっかりとお客様に伴走できると期待しています。」

 

日本でのDXの取り組みと全く同様、グローバル展開でもしっかりお客様の業務を理解して、どのように業務を変えていけるかを考えることが大切である、と両社が改めて共通認識を持ち、セミナーを終えました。